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《上海市老齢事業発展「十三五」計画》が発表、 介護保険試行によりビジネスチャンス拡大か

業界ニュース 2016.12.20

JETRO上海事務所 徐暁蕾
 

2016年9月30日付で《上海市老齢事業発展「十三五」計画》が発表された。2016年から2020年までの5年間で、上海市高齢者人口のうち、60歳以上の人口は毎年20万人増加し、2018年には500万人を突破、2020年には540万人を突破し、36%を超過することが予想されている。

(出所:上海市人口統計年鑑)
 

このような状況において、今後 5 年間の方向性を「八項任務」、「八大項目」という形を 通じて老齢事業発展体系の構築を目指したものといえる。

 

この中で、八項任務の「老齢産業の発展を加速し、老人の多様化ニーズを満たす」及び八大項目にある「長期介護保険制度試行」の2つが注目される。


(1)老齢産業の発展を加速し、老人の多様化ニーズを満たす
 

老人向けの衣食住のみならず、精神生活を楽しむための文化娯楽まで含めた商品、そしてこの中でも特に老人向けのリハビリ器具、スマートカム障害製品、リモート在宅介護、 サービス型ロボット等の研究開発をサポートし、老人のニーズを満たす補助製品産業の発 展をサポートしていこうとしている。
 

(2) 長期介護保険制度試行
 

上海において老人の長期介護保険制度を構築することで、①重点的に長期的な要介護者 の基本生活の世話と基本生活と密接に関連する医療介護等に必要な費用を解決、②商業保険会社が商業性長期介護保険商品を開発し、多層的な長期介護保障体系を形成することをサポートしていく。
 

現状上海を含む中国の介護ビジネスにおいて、高齢者向けマンションのような箱物ビジ ネスは潤沢な投資資金が必要でありながら回収期間が長期にわたることもあり、成功事例 はあまりみられず、多くの企業が新たに参入することに対して足踏み状態にあるといえる。 これに対して器具関係であれば箱物ビジネスほど多くの資金を費やすことなく参入することができ、またそれをサポートするための介護保険制度が今後試行されるということであれば、日系企業にとっても大きなチャンスであり、今後の事業展開において明るい材料で あるといえよう。